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2012年2月17日(土)13時~の公演に行ってきました。
一幕2時間20分休憩無し、との表示がありましたが、時間はあって無いよう物だと思っております(^x^)
前から5列目での観劇でしたが、上手側だったため、全体的にちょっと見にくかったのが難点でした。

以下、ネタバレ含んで感想をつらつら書いていこうと思っておりますので、内容を知りたくない方の閲覧はご遠慮くださいませ。
また、捉え方が違うんだけど、管理人ナニ考えてるの!? というツッコミはご容赦くださいますよう、お願い申し上げます。
間違いや不適切な表現の指摘は、ご遠慮なくお願い致します(VxV)

ちなみに、終演後にはキッコーマンさんが醤油のサンプルを配っておりました。スポンサーさんの力って素敵すぎ…!






観劇後、というか観劇中から拝見して思ったのは、間延び感がちょっと多いかな、ということでした(隣の席のオバサマは途中、寝てしまってましたし…)
随所随所に脚本のエッセンスが感じられるのですが、その間を繋ぐのがさんま氏のギャグ頼りになっている分が多いように感じられてしまいました。お笑いのことはあまりよく分かりませんが、ギャグが上滑りになっているというか、受け止める側がちゃんと返せていないというか。
このあたりは楽日に向かって修正されていくのかとは思いますが、面白いのですがしつこさというか量の匙加減の案配が取れてくれば良いなあ、と思います。
あとは、前回のワルシャワと比べて内容の密度が少ない分、テンポが悪く感じるのかな、とも思いました。ワルシャワは劇中に幾筋か通るラインがあるので、最後まで惹き付ける吸引力が最初からあったのですが、プレスでは冒頭を見る限り、どのラインで物語を追っていけば良いか分かり難いと思ったのです。伏線は散りばめられているのですが、新聞社の日常を切り取ったにしても、本筋が見えにくい。あの夜のことは忘れられません、くらいの導入が中尾氏扮する竹田の語りにあれば良かったのかなあ、なんて思います。そうすれば、何か事件が起こるのか、とフォーカスを定めることができたかな、なんて。

内容は、ワルシャワの時にも感じた生瀬氏のヒーロー像というか、社会に対しての在り方が感じられるかな、と思いました。反体制でありたいというか。芸能界に感じられているモノも描いているのかなあ。深読みすると、いろいろ怖い世界になりそうです。
舞台の物語の核となるのは、音尾氏扮する元青春ヒーロー大作と相武嬢扮する国民的アイドル“ミンナの妹”なでしこの密会写真を、温水氏扮する森田に撮られてしまったため、その一面記事を掲載するか否かを巡る騒動。
一面記事といえば新聞の顔。その一面をどうするか、の判断はシビアです。より大きな話題があれば、それまで決めていた一面がひっくり返ることもしばしば。まさに〆切や時間との戦いです。
本来は事件に大きい小さいもないはずなのですけどね。編集する人間の胸先三寸で判断されてしまう世界への皮肉も込められているのかしら。
密会写真の一面記事を取り下げるため、さんま氏扮する才谷が撮られた写真の意味を変えてしまうことを提案します。
この役をさんま氏に割り当てたことに、生瀬氏脚本の妙があるかなあ、と感じました。生瀬氏はさんま氏の仕事に対する姿勢をこのように捉えているのでは、と。
もしかしたら「こんな妙案思い付くの、(高校サッカーの決勝戦でわざと転んで、と若狭は才谷を罵っていたのですが、そのことをなんと表現していたのか忘れました…)才谷さんならではですな!」(そして台詞はうろ覚え…)という部分も生瀬氏の本心なのかも?(苦笑)
密会写真の意味付けを変える=丸山氏扮する曽根崎署刑事の牧田のタレコミネタを元に、なでしこの弟たけしとの逢瀬、を実行しようとするのですが、この流れはかなり無理があるように思いました。演劇仕立てにしなくて良かったのでは…。新聞社の編集室で生き別れていた姉弟が再会しているというのはホテルならまだしも、不自然でしょう(^x^;)<山西氏扮する工藤の演劇を齧っていたというキャラクターを立てるのには良かったかな、という点と、生瀬氏が楽しそうにチムチムチェリーの替え歌を歌っているのには感動しましたけど!(相武嬢の歌もステキでした! ダンスは…。大河内氏扮する磯貝次長が文楽などミュージカル仕立てのものが好き、という伏線が回収されたのには驚きました)
写真の弁解に姉弟が来て、才谷が局次長に面会を求めた、ならまだ流れは自然なような気がします。
この場合、一面の記事を変えるなら意味付けを変えるよりも、より大きなネタ=なでしこが政治家(ですから名前は記憶の彼方へ…。次回、埋めます)の孫娘、たけしの誘拐は祖父の自作自演、なでしこは悲運の姉、ということをアピールしたほうが良かったような気がします。そういう向きにさせないよう、生瀬氏扮するなでしこのマネージャー兼事務所の社長で元なでしこ祖父の政治秘書の若狭がしていた、と脳内補完しても良いでしょうか(笑)<基本的に生瀬氏中心で見ております(爆)
ラストは大作が自分がネタを森田にタレこみ、なでしこを使って自らの売名を企てていた、という自演を行って一面を密会写真が飾るのを止めるのですが、自ら悪者になって一矢報いる、というところにも生瀬氏のヒロイズムを感じました★(自分も大好きです!)
それを大作に告げる、すべてを見通した才谷の飄々とした格好も生瀬氏的ヒロイズムのように感じます。さんま氏に似合います!
「(落ちぶれた役者である)大作を一面に使うほど、ウチ(堂島スポーツ)は落ちぶれていない」と冒頭と同様の啖呵を切った磯貝局次長もカッコ良かったです。
と、感想を綴りながら思ったのですが、部分部分は好きなトコロが集まっているのですが、それらを繋ぐ線が弱いなあ、と思いました。脚本ができるまでの経過をさんま氏のバラエティを通して見ていると、ギリギリだったのが影響しているのでしょうか…。
個々のキャラクターもステキです。
新谷氏扮する八重のコメディエンヌっぷりは可愛くて大好きです。
プロレスの八百長ネタを嬉々として披露する若狭に向かって「そんなもんショーとして皆知ってることですわ」(すみません、台詞はうろ覚えです…)と説明する八十田氏扮する川野も良かったのです。
劇中で描かれた事件もすべてを見せないのは、巧いなあ、と思います。
もしかしたら竹田はたけしなのかもしれない。
牧田たちが記者発表しようとしている犯人と、なでしこの祖父の企てはどちらが真実なのか。たけしちゃん誘拐事件の真実は?
高校サッカーの決勝の真相はどうだったのか。
謎は謎のまま、解釈は見る人次第。
なのですが、自分は劇全体を含めて、消化不良な感が大きかったです、はい。

あとは、自分の思うままに感想を書くとすると、生瀬氏目当てで観劇に出掛けているのに、ついついさんま氏ばかり追い掛けておりました。さんま氏の存在感はやはり大きいです…!
ラストの雨に濡れて帰る、の解釈が自分的にはまだ纏まりません。冒頭では新しく買ったコートを自慢しているので、自慢のコートを濡らす=娘と娘の彼氏(名前…)に弱い面を見せることを許す、という感じでしょうか。
生瀬氏は眼鏡ナシで髭姿でした。ワルシャワの時には「髭描いてからに!」とさんま氏にツッコミ入れられていたのに、最近は髭姿が板に付いてきた気がします。人の上に立つ=貫禄を出すのに髭を使っているのかなあ、と感じます(スープのチラシでは眼鏡も髭もないので、素に近い自分を出される時は顔を飾らないように思ったので…)
ブラックのピンストライプのスーツはお似合いになるなあ、と思っていたら考えてみたら黒田やないですか(苦笑)
お金に細かそうな感じは、親戚かもしれません<妄想です
若狭のスタンスではタレントは商品、というのも、自分たちの立場を客観視している生瀬氏のスタンスなのかなあ、とも思いました。
なでしこの資金力をバックに~という部分は芸能界に対してかな、とか。
丸山氏は喜多善男で拝見した時に知り、それから好きな俳優さんだったのですが、初めてナマで拝見できて、スタイルの良さに感動しておりました。背丈あって、肩幅あって、スーツが似合ってステキです★

この回限りのアドリブ的なところは、さんま氏が「こら、温水!」と声を掛けた時に温水氏がそのまま振り返ってしまったところでしょうか。これは、どちらに非があるものなのかしら?

カーテンコールは一回でしたが、舞台が終わってから劇中に使った帽子をさんま氏が持ってきて「これから挨拶する四人を抽選で決めます」ということで、帽子の中から名前の書かれた紙を取り出しておりました。名前を呼ばれたのは新谷氏「ミンナの妹、新谷です★」、相武嬢の挨拶の後「ダンスは何なのあれ」とさんま氏がツッコミ「リハーサルと違うことやりよるねん」、山西氏「演劇とは~って、誰か止めてください」、丸山氏「今日は長野から両親、観に来てるんです」「長野からイカを売りに~ってやれば良かったか?」「いえいえ、長野には海ありません」さんま氏と楽しそうなやり取りを展開されておりました。その後で生瀬氏が挨拶。「チケット、まだ若干残っているようです。今日は2時間半で終わりましたが、終わり近くになると4時間近くになる恐れがあるので、早めに見終わりたい方は是非早めにまたお越しください」とのことでした。
客席からおばあちゃんがさんま氏に握手しに来るというハプニングもありました。

なんだかんだ書きましたが、楽しく2時間半、観ることができました! 終演後は笑いすぎてお腹痛くなりましたもの。
シリアスで難解なモノ、を求める方には向かない舞台だと思いますが、舞台は初めて、という方でも肩肘張ることなく、見終わったらスッキリできる舞台ではないかと思います★



<2012年2月21日追記>
書き足りていないことを思い出したので、追記という形で残しておきます。

才谷の台詞に「人間国宝とか紫綬褒章とか嫌」という件で、「来週の月曜授与式なんだけど、来る?」とシナをつくって声を細くするのは、元嫁さんか! というツッコミを皆さん心の中でされていたことと思います(^x^)
さんまのまんまでのエピソードがそのまま脚本になっているように思えました!(この時の生瀬氏は「賞欲しいんだ!」と声高に仰っていたので、真逆のスタンスのさんま氏への台詞で、改めてさんま氏へ畏敬をこめられている気がします)
才谷の反体制的スタンスは、自分も憧れます(人間国宝がナンボのもんじゃ! と啖呵を切ったのに、舞台のオチで他紙一面に「文楽で狼藉記者」と飾ってしまうのも、権威と個人主義の対立のようで、面白いと思います)

それと、大作に才谷が説得する場面での「いちばんのファンはお母ちゃんやで」と言うのは、芸能人だけでなく、すべての母子に対しての言葉ではないかと思います。
無条件で愛してくれる親は、どんなことがあっても子を裏切らない。
生瀬氏の家族観を垣間見た気がしました★
(そうやって無条件で子どもに信じさせる行動を親が示してあげれば、子どもに拠り所ができてぶれないのでは、というような本を読んだばかりだったので、余計にそう感じたのかもしれません)
「生かされてるんや」と言うのは、人生観が強く出てる言葉ではないかと。
自分はこの言葉が凄く好きになりました。
自分で稼いだと思っているお金は、結局は誰かが自分たちの何かを買ってくれた代償にすぎないのですから。



<2012年2月22日再追記>
ご指摘を頂きましたので、なでしこの弟=たけし、と表記を修正しました。文章もちょこっとだけ手直し。

さらに思い出したことをつらつらと。
パンフレットの大河内氏のコメントで「さんま氏がお父さん、生瀬氏がお母さん、薄毛の三つ子、お姉ちゃんが新谷氏というファミリーができている」と書かれておりましたが、ステキな喩えだと思いました!
カンパニーの一体感が、本当に良いなあと思います(と、自分はPRESSとワルシャワしか拝見したことがないのですが。ワルシャワは初演だったから羽野氏でしたし…)
温水氏がトリオから外れてしまうような役なのがちょっと寂しい、と書かれていた気持ちも分かります。観るほうもちょっと寂しかったです(記者の立場的には同じなのですけどね。才谷がアウトローな立ち位置ですけど)
音尾氏は、昭和のスターがお似合いになるなあと(パンフレットを拝見すると、意識されていたのですね。納得の演技でした!)
数々の浮き名を流してきた大作が「なっちゃんとは本気なんだ!」と胸を張るあたりもステキです。
コメントを頂いて思ったのですが、大作となでしこのカップルも面白いですよね。当初は女たらしの大作がなでしこに手を出したと思われていたのが、実はなでしこからアタックしていたことが判明。その後、私の所為で大作さんの未来をダメにはできない、と当初となでしこと大作の立場は逆転してしまうのです。女性は強し。昭和のアイドルたちへのリスペクトもあるのかな。
そしてラストは大作が芝居を打つわけですが、これまでの棒演技を考えると嘘と真実の境界が曖昧だなあ、と思いました。嘘、と捉えるとしっくりきますが、嘘ではない可能性もあるわけで。そうなると、男というか大人の狡さを表しているなあ、というのもアリかなと。

それとカーテンコールでさんま氏と生瀬氏は高校サッカーのユニフォームっぽいトレーナーと短パンで登場しておりました! 髭のオッサンとのギャップに笑ってしまいましたとも!

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無題
※以下ネタバレコメント。注意願います※

ツイッターからこんにちは(^^)
レポ楽しく拝見させていただきました!
生瀬さん、今回は今までと変えて軽めの内容にしたとの事でしたが、それを踏まえてもワルシャワの方が好きだったなーと思ってしまいました(^^;
ちょっと内容が纏めきれなかった感じを受けてしまいまして・・・。

更に、えりあさんも書かれていますが、所々頻繁に出てくるさんまさんのギャグが上手くかみ合っていなかったですね。
中盤からさんまさんのギャグが入るたびに観ててキツくなってました(^^;
今回はどんどん話のテンポの邪魔をしてしまっていましたよね。

さんまさんが挨拶で「3日目から纏まって来るので、次回からは3日後位からチケット買って下さい(笑)」とか言ってましたがw
意外とマジなのかもですね(^w^)

ややグタグタしてましたが、ラストの大作のなでしこへのついた噓、あそこの下りが大好きなので見終わった後は結構好きな作品だ!と思えていました。

ずっとなでしこが言っていた『あの人は自分をかえりみないで私を守ってくれる』っていうのが示されて、でもああいう結末になって、切ないけどカッコいい終わりでしたよね。

普段から噓を好む生瀬さんですが、あの噓が、生瀬さんの目指す噓なのかなーとか思ってしまいました。

あと、私もあの子が本当は弟なのかなー?と思いながら見ていたのですが、明確な答えはありませんでしたね!
ちなみに名前は『たけし』だったと思います。
祖父は私も忘れてしまった(^^;

カテコの様子、ありがとうございます!
まさかの抽選方式!
初日は新加入メンバー+生瀬さん+さんまさんの挨拶で、
生瀬さんは「若干チケットが残ってますので、当日券も 倍くらいの値段で 売ってますので・・・」とか言って、全員にツッコまれてましたよ~(笑)

あっ、長々と失礼しました;
また色々感想拝見に伺います♪
森乃樹由 2012/02/21(Tue)14:57:33 編集
Re:無題
纏まりのない感想に、ステキなコメントありがとうございます!
森乃さんの視野の広さに、何時も新しいことを気付かせて貰っております。文字に起こしてくださってありがとうございます。
3日目からとは! 纏まる前の貴重な舞台を観たのだと(^x^)
自分も3日目以降を次回から狙って…(苦笑)
ワルシャワは軽く見えて重かったので、その反対をPRESSは狙ったのかなあ、とも思いましたが、私も個人的にはワルシャワの流れのほうが好きでした。
3S政策へのアンチテーゼの要素がもっとあっても良かったのではないのかな、と。
大作の嘘は私も大好きです~。あのシーン、なでしこ以外のどれだけの人間が大作の嘘に気付いているのか、ということを見ても面白いのかな、なんて思いました。
初日のカーテンコールは、そうか、初参加組という括りができるのですね! 舞台の様子を教えて頂き、ありがとうございます。
それと、なでしこの弟、たけしくん。そうだ、それです! ご指摘ありがとうございます。本文、直します!
2012/02/22 07:05
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