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久し振りの舞台の感想書き! なんと前回書いたのが5年前だよ、何やってたんだ自分!(ちょくちょくは観に行っているんですけどね。今年はグッドバイも観に行ってるし)
年齢を食って感動するということが少なくなってきたんでしょうかね、という前置きはさておき。

感想を畳んで置いておこうかとも思ったのですが、スマホからのデザインだと意味ないので、そのまま置いておきます。

10月10日(土)昼、10月17日(土)夜、10月24日(土)昼、11月1日(日)昼の計4回行ってきました。まさか申し込んだ分が全部取れるとは思っておりませんでした。
自己肯定感の否定から始まった舞台ですが、無事に4回観劇という自分史上の最大回数の同舞台観劇という記録を達成することができました。一枚リセールに出したかったのですが、売れなかったので自分で行きましたが、結果行って良かったという結果でした!(カメラが入っていた日だったので、この日だけ幕開けがねずみの三銃士のテーマ曲が流れました。饅獣、懐かしい~)
考えてみたら、ねずみの舞台は初回は絶対胸糞悪くなってる気がしました。毎回、クドカン氏の毒が強すぎるし、その脚本を真っ当に演じられる演者さんたちの熱が強すぎて、悪意に酔ってしまうというか、人間の奥底を見せられる気がして気持ち悪くなってしまうんですよね。多分、と今だから思えますが。見ている内に毒に慣れてくるというか、先が分かっているから先がわからない恐怖は無くなって楽しめるようになるというか。なんかどうでもよくなってきちゃったという関さんの気分がとてもよく分かります(苦笑)
ちなみにカーテンコールは基本的には二回のみ。自分が行った内で楽日だけが生瀬氏から挨拶がありました。スタンディングオベーションしちゃうよね!(3回目に行ったくらいから自分はしたかったけど、3回目は最前列だったのでちょっと恥ずかしかった…)
古田氏、上半身もう脱いでるし! 生瀬氏もパンツにシャツしまいながら出てくるし! おっさん感が素敵すぎる!(><)
拍手と笑いが貰えるナマの舞台は良いなあ、という話にちょっと涙ぐんでしまいました、自分。生瀬氏はコロナ禍で舞台飛んでるからなあ、客席満席入れて上演できるようになるまで回復できるようになった、というのは感慨一入だったのでしょうね。そしてソーシャルディスタンスを保って整列退場。千人キャパの劇場で整列退場なんて初めてのことでしたさ! 楽日だけいちばん最初に帰れましたw(他はほんと前の方だったので)<お陰で楽日にようやく舞台の全容が分かったという。すし密のシーンは数か月後というテロップが入っていたのですね
前回までのねずみの舞台は本当にチケット取りにくかったのですが、今回は初めて楽日取れたのは、コロナ禍というのはありますよね。キューブ先行で自分は取りましたが、一人一枚ずつしか申し込めなかったし、地方からの方は東京に行くというのがネックになりますものね。Go to始まって良かった! 演者さんたちも二週間に一回PCR検査してると言いますし(年だから唾液が出にくいとか、そういえば生瀬氏も60ですものね…。干支がネズミで野際様と一緒と話されていたのが懐かしいです…)

舞台はコロナ禍の現状を思いっきりディスる内容から始まりました。考えてみたらクドカン氏、コロナに罹って叩かれてましたものね…。フェイスシールドしたままカレーうどんは食べれませんし、カレーうどんの飛沫ってw ピンヒール忘れて出てきて30秒で下ネタ二つのくだりも好きすぎるのですが、毒吐かないとやってられないやけっぱちさを感じたりしました。クドカン氏飛ばしてるよ! 客席数増やしてリニューアルしたのに! 詰めろ詰めろ、立ち見で通路に座布団だってそうは出来ないんだよ! 客が減ったら収入が減る、人員削減は必至だべ! のぶえ氏、カッコいい…!
ねずみのお三方が舞台の世界でも中堅役者で、パニック障害、不安神経症、アル中と問題を指摘され更生させる為に福島の練り物工場で働け、というところから始まるのですが、もう初回の自分はここでどんよりですよ。パニック、不安、アル中、全部自分に当て嵌まるやん(苦笑)
ここで不要不急のうすっぺらい中堅俳優(筆の遅い劇作家と主演女優と二人きりになりたがる演出家。30年雰囲気だけでやってきた。後輩騙してきた、という古新田氏の意見にも、個人的には同意しかなくて。雰囲気だけで生きてきてますから、自分…)は淘汰されると言っていて、本当に春先に言われていたことだもんなあ、となんとも言えない気持ちになってしまいました。ちゃんと舞台文化は復活できそうで良かった、本当に…。
サラリーマンや農家の役は演れるけどなりたくない、ってさりげに一般人までディスってくださっているのはちょっと痛いかなあ、なんて思いましたが、流れ作業に身を任せられない役者=ケダモノに持っていきたい論法だから仕方ないいかな、と。「生産ラインに身を任せろ!」「いやだ!」と全力で拒否するお三方が、本当に嫌そうで、すごいなあと思いました。

彼ら三人が連れていかれた(連れて行った?)練り物工場に保険金詐欺を疑われいてる苗田松子(松戸かなえ)がいて、彼女のドキュメンタリーを撮るディレクたーの関の映像の材料として保険金詐欺の再現ドラマを作っていきつつ演劇療法で病気を治療していくという話になるのですが、かなえさんが「女性としての機能を最大限に活かす」「殿方を悦ばせる才がある」「ほかの女性の方はさぼってらっしゃるのかしら」「つまらない女とおっしゃった方は一人もいない」「楽しいのが好き!」という自己肯定感の塊で、彼女を見ていると自己否定感しか沸かない自分が本当に初回は辛かったです(苦笑)
女性であることを謳歌するには、彼女くらいの覚悟が必要なのかと。女性として生きているのにうさこに現を抜かしていてすみません、という気持ちになりましたもの。
自分は登場人物なら、いちばん保守的な関さんに近いと思います。古いとか、見ているだけとか、観測者の視点を守ろうとするところとか、ホント自分を見ているようでした(汗)
男性を手玉に取るかなえが、男性にとって魅力的に見える時は山本美月嬢が演じるという効果もすごいと思いました。これならCGとか使わなくても彼女がそれだけ魅力的に見えたということが分かりますものね。美月嬢の手足の長さ、細さに毎回びっくりしながら拝見しておりましたさ…。しょうがないじゃん、可愛いんだもん(関さん談)
被害者三人+関の妻の関かなえ、松戸かなえの5人分の再現ドラマが作られ、それらを録画したデータは結局使えずにお蔵入りするということになった時に、俳優三人は関を殺害してしまうのですが、もうケダモノしか感じられなくて、初回の時は本当に胸糞悪くなって、自己肯定感が否定されまくっておりました(鬱)

お笑い要素はふんだんに取り入れられているんですよね。美月嬢に下ネタ言わせるとか、ピコ太郎パクらせるとか、あおり運転をケータイで撮影するとか、ねずみの三人に誰かしら真似させた人物を登場させるとか(和田アキ子氏とか、武田鉄矢氏とか、西川きよし氏とか)。ちょっと入れすぎてる気もするけど、それはコロナ禍でのサービスかなという気がしないでもないですし。
部分部分を見たら面白いのですが、いろいろ通してみると、なんか鬱になるというか(そればっか)
かなえちゃんがかなえさんに魅入られてしまうというのも、とてもよく分かる気がしていて。だれでもかなえになり得てしまうという関さんの言葉も正論で。なのに、かなえを悪女と一言で断罪できないモヤモヤさが、この舞台の気持ち悪いところなのではないかなあ、と4回見てようやく思えるようになりました(^^)
妊婦や専業主婦をおっさんと表現してしまうのもスゴイですけど、かなえちゃんはアイドルで中年を反面教師と歌っていたから、余計にそんな語彙が出てきたのかもしれませんね(骨董通り446大好きなんで、ここだけシングルカットして貰えませんかね。これだけ目当てで円盤買ってしまいそうな勢いです。楽日のどつぼちゃんとプロデューサーがテンポ良すぎて面白すぎましたw お正月の寝技の時からテンポ良いなあと思いましたが。というかお正月という技を知りたいですわ。騎乗位からどうなってるの…?)
あとは、本当にのぶえ氏と美月嬢の使い分けがスゴイと思いました。魅力的に見える、良いという感情で見ている時は美月嬢になって、それ以外の現実的な話だとか、嫌な部分が見えている時はのぶえ嬢になるという二人一役というのが分かりやすく見せるのには必要なんだな、と思いましたさ。かなえちゃんが出産する時になって、分娩台に上がってからのぶえ氏に変わって「こんな人知らない」と言うのは、世の男性のあるあるなのかなあ、なんて思ったりしてしまいました。そして結婚したらお母さんになってしまったのぶえ氏。男女の隔たりはまだまだ大きいんでしょうね。
古田氏が、女装しまくりで、その度に足ほそっ! と思って見ておりましたw ナースにセーラー服にどつぼちゃん。足を見せるから古田氏なのか…?
池田氏の義賀プロデューサーの胡散臭さが個人的にはツボすぎて、大好きになって毎回見ておりました。443人を落としてきたオーデション手腕は、他から買われそうな気がします。
久し振りに生瀬氏のえちぃに入るシーンが見れたのが満足だったりします。あーっていう声にちょっと興奮しておりましたw いやいや還暦かあ。

今回はアドリブがあまりなかったような気がします。カメラが入っていた回が自分の中ではいちばんグダっていたような気がしましたw(最後の面会所のセットがうまくはけなくて「何もなかった!」と言うくらいだったのでw)
そういえば、ドツボちゃんのダンスの足がだんだんと上がらなくなっていたような気がします。毎日は大変ですよね…。

舞台を見ていて、自分がいちばん引っ掛かったのは、関とかなえさんのやりとりで、どうしてもかなえさんの動機が理解できない関に対して「あなたの理想のために生きているんじゃない」「あなたの望みのために世界はあるわけじゃない」「あなたの限界が世界の限界」という言葉たち。私も常に思っているような事を言ってくれているのが大好きで。かなえさん信者になりたい気持ちがとてもよく分かりました(笑)
言葉と常識で理解しようとする世界、それすらを飛び越えてしまえる世界。人間という枷を外してケダモノになったモノだけが見られる世界なのかもしれませんね。

獣道一直線の歌が好きなので、これは本当に円盤を買ってしまうかもしれませんw(未見の鈍獣、数回観に行った印獣は未だに詰み盤なんですけどね。そう思って饅獣は買わなかったのにw)

来週末から日本各地を回られるようですが、機会があるのなら数回見たほうが面白い舞台ではないかな、と思います。いや、自分のメンタルが弱すぎて初回は自己肯定感がやられていたので、メンタル強い方なら、ってそしたら感情移入できないかもしれませんね。難しいなあ…。
是非とも、次回作もやって欲しいですが、最低でも5年は空いてしまうからなあ、ねずみは。ちょっと早めてやってもらいたいですね!

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