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6月20日(日)の朝一の回で観てきました。
いろいろ考えたり謎めいたところがあったので、ちょっと感想を纏めておこうかなあ、と思ったので書き留めておくことにしました。
自分はゲイリー・オールドマン氏のファン(ドラキュラで惚れて、レオンでハマって以来だよ!)なので、彼中心の感想になってしまう点はご容赦くださいませ(^x^;)
この先、ガッツリネタバレを含んでおりますので、未見で内容を知りたくない方や、個人の感想に興味無いよ! という方はスルーして下さいますよう、お願い申し上げます。










ザ・ウォーカーというのは邦題で、原題は「The Book of Eli」なのですが、原題のほうが良いじゃんかよ! と思いました。
旅人というイメージでウォーカーと付けたのかもしれませんが、東京ウォーカーを思い出しちゃうじゃん、と思ったら日本での配給は角川&松竹でした。恐るべし、メディアミックス戦略…!<違うから!
原題のほうがダブルミーニングで良いと思うのですが、ストレートすぎて回避されてしまったのかもしれませんね(直訳するとイーライの本ですが、本がイーライ自身でもあったので<口述筆記を最終目的地=アルカトラズ島で行うので)
パンフレットには原題はイーライ記(新世代の使徒、とも受け取れますよね。アルカトラズ版ということで口述内容は出版されますし)も表しているのでは、とありましたし。
劇中ではウォーカーというのは通り名のように使われていましたし、原語を聞き取れる英語力は皆無なので断言はできないのですが、劇中にイーライと名前が出てきたのがアルカトラズに辿り着く前だけだった(常に二人称や三人称で呼ばれていたので、個人名が必要とされていなかったというのもあるのでしょうし、余所者には名前は必要ないという時代や街の背景もあったのでしょうが)ので、それ名前か! コードネームなのか!? とか自分はちょっと混乱してしまいました。ウォーカーと登場人物表記するのはどうかと(苦笑)
じゃあ、イーライが運んでいた本は何だったのさ、というのがカーネギーが本を奪ったことで明かされるのですが、点字の新約聖書(多分。あまり聖書に詳しくないので…大汗)でした。
ここで彼が盲目(パンフレットには30年前の核戦争で失明したと書かれていたのですが、劇中では明らかになっていない気がします<戦争の一年後、瓦礫の中から聖書を見付けた、と字幕には出ていたのですが、見付けるというのは見えているから使える表現のような気がするのです)と判明するのですが、冒頭のiPod(自分がまだ現役で使用している型に近くて親近感沸いてましたw<液晶はモノクロです)の液晶を写したのはどういう意図があったのかなあ、と(バッテリーが無くなって音楽がストップしたので、次の街で充電する必要が生じたという前フリだけ?)
視力を失っていたからこそ、匂いに敏感であったり、銃弾の中でも恐怖を覚えることなく立ち回れていたのか、と得心した部分も多かったのですが、ちょっとした部分が引っ掛かります。

それから聖書。徐々にイーライが運んでいる本が聖書と明かされていく(表紙の十字架が映ったり<カッコよい十字架があしらわれていて、さすが欧米だな〜と思いましたw、食事の前に祈りの言葉を唱えたりする描写からクリスチャンっぽいことが伺えます)のですが、何とも言えない存在だなあ、と思いました。
話から察すると、聖書は宗教戦争が高じて核戦争が起こり、大地は焼き払われた結果、生き延びた人々に争いをもたらしたモノ=聖書と見做され、焚書となった。その残りの一冊をイーライは見付け、内なる声(神の啓示? アルカトラズが文化的中心地になっていると知っていた?)に従って運んでいたのですが、やっぱり聖書が争いの火種になってるのです(イーライの聖書を手に入れるために、カーネギーは頑張りすぎて部下をかなり殺されてしまってます)
神の捉え方が難しいなあと。信じる者は救われる? 博愛? 絶対神? 改宗? 奇蹟? しもべだけが救われる? 天罰?
隣人を愛する世界からは遠い世界だなあ、と。

面白いなあと思ったのは、アルカトラズ島の扱いでした。刑務所は核シェルター並に安全ってことですね!<最低限の文化的設備は揃っていたので、文化の再発信基地に成り得た、ということでしょうか
そこで暮らしている方々は元囚人なのか、それとも囚人は脱走してしまった後に集まってきた科学者や文化人たちなのか、どうなのかなあ、と悩んでいたりします。
前者だとしたら、前世代では異端者だった人間たちが映画の世代では先駆者という立場に変わった(そちらの立場こそが人間的には正しい評価かも?)と取れますし、後者だとしたら最悪な場所に壮大な仕掛けを施していた前世代の上層部とも考えられるかなあ、と(彼らが核戦争を引き起こしたとは穿ちすぎ?)
時代背景は幾通りにも考えられそうです。

あとは、何はともあれオールドマン氏ですよ!(≧x≦)
お歳を召されたなあ、と思いましたが細くなりすぎている感があって、ちょっとビックリでした。
もっとクレイジーな役かと思っていたのですが、俗物的な悪役でした。が、それが良かったです!(≧x≦)
聖書があれば、人々を洗脳するのが楽になるぞ! ということでカーネギーは聖書をずっと探していたのですが、聖書への盲進具合と部下への容赦の無さっぷりが、思いっ切り小者でしたさ!
イーライとの対話や、クローディアとのシーンはやっぱ凄い! と惚れ惚れして見ておりました。カッコイイし、静かだけれども、だからこそ引き込まれる強さがあるというか。
個人的には、アルカトラズで告発を思い出し、キリスト教でドラキュラとスカーレット・レターを思い出したりしておりました。役が被らないなー。
オールドマン氏の名前で久し振りにググってみたら、これからの予定の作品がゴスロリ版赤頭巾ちゃんに神父役って…是非ともトリブラ的衣装で見てみたいです!(爆)

そういえば、カーネギーの情婦であるクローディアも盲人なのですが、点字の聖書を手に入れてから彼女に読ませようとすると点字なんか忘れてしまった、と捨て置かれてしまうのですが、そこで彼女は怪我の膿に蝿がたかっているとカーネギーに指摘します。その膿にカーネギーは気付いていないのですが、見えていても見えていない真実を暗示しているのかなあ、なんて思ってしまいました。
思えば、文字を読めない人間(戦争を生き延びた人間だけが知っているように描かれているので)ばかりに、カーネギーはどうやって信仰を広めようとしていたのか、ちょっと気になります。彼が説教を行って神の代弁者と街の支配者の地位を得たかったのでしょうか。

世界は見えないからこそ美しい、のかなあ。結局、世界は前世代に戻っていく、繰り返していく、という示唆する映画なのかなあ、と思いました。
音楽が良かったのでサントラが欲しいのですが、出てないようでちょっと残念です。

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